腰痛・坐骨神経痛で整形外科に行っても意味がないのか？

厚生労働省研究班の調査によると、腰痛持ちの方は全国に2800万人おり、40～60代の約4割が悩みを抱えているのだとか。

そんな国民病ともいえる腰痛のうち、85％が医学的に原因不明ということは、腰痛持ちには有名な話。
数年前に大学病院の整形外科にかかった時に、異常なほど痛いにもかかわらず異常なしと診断され、湿布を渡されただけなのにも納得がいく。それはそうだ、あなたは85%のほうで、原因不明と言われただけだ。そのほうが多数派なのだから。

残りの15％は脊椎病変、内臓由来の腰痛、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄などで画像診断や精密検査によって原因を特定できるのだとか。
わたくしが素人ながらに思うのは、原因を特定できているのではなく、病名を認定しているだけで、決して原因を特定できているわけではないのではないか。

残りの15%のうち、多いのは椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症だろう。

腰痛のない健康な方とヘルニアと診断された方を対象とした調査によれば、健康な人の８５％に椎間板の変性がみられ、７６％に椎間板ヘルニアが発見されたという結果も出ている。
ヘルニアでも痛くない人はたくさんいる。この調査とは関係ないが、ヘルニアがなくても痛い人もたくさんいる。本当にヘルニアが原因なのだろうか？

リウマチ専門医らが、脊柱管狭窄のために除圧手術を受けた患者を7～10年後に追跡調査したところ、1/4の患者が再手術を受け、1/3が重度の腰痛を訴え、半数以上が2ブロック程度の距離も歩けないことが明らかになった。本当に原因だったのだろうか？百歩譲って原因だとして、結局、原因がわかったところで治らないではないか。

ほとんど原因がわからない。
わかったとしても、本当の原因か定かでない。
わかったところで、手術で完治する確率は低い。

こんな状態でも原因を特定できているといえるのか。

こんな現状だから2800万人が悩んでいるのか。こんなに大勢が悩んでいるのにこんな有様なのか。

医療ってもっと進んでいると思っていた。
多くの健康な方はそう思っているだろう。

では、整形外科に行っても意味がないのか？

意味はある。声を大にしていえる。

がん、腫瘍などの重大な病気を見逃すことがあるからだ。
万が一の可能性を排除するためにも、念のための受診をお薦めする。非常に消極的な理由だが、これらの病気は手遅れになりかねない。万が一の場合には、そう、整形外科はほとんどのケースで関係なくなる。そして、次に行く診療科は整形外科よりはきっとより先進的だ。

整形外科に絶対に期待してはいけない。がっかりして絶望するだけだ。